月刊『公衆衛生情報』+α情報(換気) 保健所長購読の『公衆衛生情報』に理美容所の新型コロナ感染対策を書きました
・二酸化炭素濃度の目安は、1000〜1500ppm
・ビルのオフィスのように天井が高い部屋は、1000ppm
住宅のように天井が比較的に低い部屋は、1500ppmを目安にする。
・開放型石油ストーブ・ファンヒーター・ガスストーブの使用時には、必ず1時間に1回、数分間の対面換気を実施する。
2021(令和3)年10月中旬発行の月刊『公衆衛生情報』(一般財団法人日本公衆衛生協会)に、「新型コロナウイルス感染症を踏まえた理美容所の感染症対策」を書きました。
追加情報をお話ししたいと思います。
新型コロナウイルスの感染対策のひとつが、換気です。
換気が十分にされているか確認で使われるのが、二酸化炭素濃度の測定です。二酸化炭素濃度の基準は、建築物衛生法の空気環境基準では1000ppm以下とあり、学校環境衛生基準では1500ppm以下であることが望ましいとなっています。
この値を参考に、保健所・環境衛生監視員の経験を踏まえて、私の考え方をお伝えしましょう。
ビルのオフィスのように天井が3~4mある場合は、1000ppmを目安にします。
住宅のように天井が2.4m前後くらいですと、ビルと比べて人や暖房器具による影響で濃度が短時間で上昇するケースがあり、換気が頻繁になってしまう可能性も考えられます。1500ppmを目安にして、その値を超えたときに換気をするといいでしょう。
冬場、開放型石油ストーブ・ファンヒーター・ガスストーブの使用により、完全燃焼のときに二酸化炭素が室内に出ます。1時間が経たないうちに、2000~3000ppm以上になることがあります。
開放型の石油ストーブ・ファンヒーター・ガスストーブを使用するときには、必ず1時間に1回、数分間、二方向の窓を開ける対面換気をしましょう。換気扇と窓開けとを組み合わせても同じ効果があります。
数分間、効果的な換気ができれば、外気の濃度に近づく600~750ppmまで下げることもできます。