【環監入門編】レジオネラ症対策・スチームサウナ内の座面の清浄度と洗浄方法

【私の視点】
スチームサウナの座面(材質:石)の清浄度を高めるには、中性洗剤とタワシによる洗浄が効果的です。

洗浄効果によりATP値が下がる

2023(令和5)年1月、都内の公衆浴場の付帯設備のスチームサウナの座面の清浄度と洗浄方法を調べました。

スチームサウナは、3人くらいが利用できるスペースで、熱湯槽に温水シャワーをあてて、室内に湯気を充満させています。

室内の温度は、約45℃になります。

座る部分の材質は石です。

この座面の清浄度と、適切な洗浄方法を調査しました。

座面の清浄度は、ATP測定により調べました。

【清浄度の検査結果】

施設では、毎日の営業後、洗剤と布を使い、座面の洗浄をしてきました。

ルミテスター測定器により、座面10cm四方の拭き取りをして、ATP値を検査したところ次のとおりでした。

使用した試薬は、ルシパックA3です。

男性用スチームサウナ

①入り口向かって正面の座面: 454 RLU
②入り口向かって右側の座面: 5,935 RLU

女性用スチームサウナ

③入り口向かって正面の座面: 1,393 RLU
④入り口向かって左側の座面: 4,645 RLU

男女ともに、きれいな座面と、すこし汚れが残っていると思われる座面とがありました。

数値がやや高かった座面は、利用者の座る回数が多いために汚れがすこし付着していたのではないかと推測しました。

それを裏づけるように、施設の話では、入り口向かって脇の場所に利用者が多く座るとのことでした。

国立感染症研究所・倉文明先生のご講演で、拭き取り検査の清浄度の目安は、1,600 RLU(ルシパックA3使用時)と聞きました。

今回、その目安の数値を上回ったのは、2カ所です。

【洗浄方法】

目安の数値を上回った②及び④の箇所の座面について、中性洗剤を使用してタワシで洗浄しました。

洗浄後のATP値は、次のとおりです。

男性用スチームサウナ

⑤入り口向かって右側の座面: 683 RLU(5,935 RLU から改善)

女性用スチームサウナ

⑥入り口向かって左側の座面: 293 RLU(4,645 RLU から改善)

洗浄後の数値の減少から、中性洗剤とタワシによる洗浄の効果があったことがわかります。

施設では、現在、毎日、営業終了後の洗浄を、中性洗剤とタワシによる洗浄にきり替えました。

【私の視点】

スチームサウナの座面(材質:石)の清浄度を高めるには、中性洗剤とタワシによる洗浄が効果的です。

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【実績】

・2022年、厚生労働省のレジオネラ対策のページに掲載される「入浴施設の衛生管理の手引き(令和4年5月13日)」の作成ワーキンググループのメンバーに、国立感染症研究所・倉文明先生らと共になっています。

・2022年、国立保健医療科学院、令和4年度・環境衛生監視指導研修で「環境衛生監視指導の実際、公衆浴場のレジオネラ症対策」(オンライン)の講師をつとめました。

・2021年、高知県、令和3年度入浴施設におけるレジオネラ属菌汚染防止対策講習会・環境衛生監視員を対象とした現場研修会「循環式浴槽立入検査の実際について」の講師をつとめました。

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