環監・保健師のための防災【入門】浸水想定地域の備蓄の考え方
【環監の視点】
浸水想定地域の備蓄の考え方
①浸水想定高さより上階に、備蓄品を置く。
②上階に、敷布団用の断熱マット類を備蓄する。
2022(令和4)年5月上旬に、宮城県仙台市にある東日本大震災の復興関連施設・震災遺構等を訪れました。
訪れたのは、せんだい3.11メモリアル交流館、震災遺構・仙台市立荒浜小学校、なかの伝承の丘などです。
震災遺構の荒浜小学校は、無料で見学ができます。
津波は、4階建て校舎の2階の床上40cmくらいまで来ました。
校舎には、津波の被害が当時のまま残っています。
1階教室の床は、津波の運んだ泥が、乾燥し薄い土色となって残っています。
海側の2階ベランダの鉄柵は、瓦礫がぶつかり、大きく変形しています。
震災当日、生徒、先生、付近の住民のかたが、3階、4階に避難し、暖房がなく厳しい寒さのなか救助を待ちました。
4階の展示室には、一時避難したときの状況が再現されていました。
当時の先生の話によると、3階の備蓄倉庫から備蓄品を運んだそうです。
仮設トイレが設置され、毛布が一人ひとりに配られました。
床からの冷えをやわらげるために、毛布を入れていた段ボールや紅白幕を床に敷きました。
子どもたちは、少しでも体が暖かくなるように、防災頭巾をかぶったり、体操着を重ね着したりしました。
また、教室から外した暗幕やカーテンなどにくるまり、寒さをしのいだのです。
【環監の視点】
・備蓄品をどのような状況でも使うことができるよう、浸水想定地域では、浸水想定高さより上の、例えば、3階以上に備蓄品を保管することが大切だと思いました。
・床面からの冷えは、体にこたえます。断熱性のマット類が役に立つと感じます。
震災当日の夜、勤務する東京都内の自治体の事務室で、緊急対応に備えて一晩を過ごしました。
そのとき、健康センターにあった厚さ3cmくらいの1人用の体操マットを敷布団がわりに使いました。
疲れは取れなかったものの、一定の断熱性を感じました。