環監・保健師のための防災【入門】マイナスをプラスに変える発想

【私の視点】
 マイナスをプラスに変える発想が素晴らしいと思いました。
 環監の業務にも当てはめることができます。
 例えば、県保健所と市町村とでつながりが薄い現状があるとしたら、共通の課題「災害時の避難所の衛生・感染症問題」の解決を目的に、合同の研修会をして顔の見える関係づくり、つながり強化ができるのではないかと思いました。

津波到達付近から見下ろした海面(2019年撮影、南三陸町)

2022(令和4)年6月下旬、TEAM防災ジャパンの学習交流会「伊豆市土肥地区の津波防災まちづくりに学ぶ」(オンライン)に参加しました。

約40人のかたが参加しました。

内容は、津波防災取り組み事例紹介と交流会です。

事例紹介では、東京大学生産技術研究所の加藤孝明氏から、伊豆市土肥地区の津波防災の取り組み事例が報告されました。

津波防災の先駆的事例として取り上げられてきたものです。

伊豆市土肥地区は、2018年に津波防災地域づくり法に基づく津波災害特別警戒区域が指定されている全国で初、唯一の地域です。

・病室等の居室の床面の高さが津波の水深以上

・病院等の建築を予定した盛土等の開発行為の規制

南海トラフ巨大地震の想定では、高さ最大10mの津波が6分後に到達するとのことです。

防潮堤をつくるかの議論が、以前からありました。

その議論のほか、何ができるかを地域で考える「観光防災まちづくり、みんなで考える市民集会・大市民集会」が開かれました。

まず、津波リスク、浸水深がどれくらいなのか課題共有がされました。

加藤氏から、小さい町のメリットがあると話がありました。

参加者のひとりから、「町中にのぼりを立てましょう」と提案があり、すぐに実行されました。

「がんばる地域宣言」をすべての地区・組織でつくっていきました。

宣言をさらに具体化した「地区防災計画」をつくる作業になりました。

宿泊施設を避難所として利用できるよう、市と旅館組合で協定が締結されました。

新型コロナの影響による分散避難が叫ばれる前の話です。

まちづくりの議論で、逆手にとって「津波防災にがんばる地域」としてブランド化があり得ると意見がまとまっていったそうです。

津波災害特別警戒区域の愛称が全国公募され、決定しました。

「海のまち 安全創出エリア」

「海のまち 安全避難エリア」

NHKテレビでも紹介された土肥地区の取り組みは、番組のなかで「こういう地域なら、ぜひ訪れたいと思います」とコメントがあったそうです。

【私の視点】
 マイナスをプラスに変える発想が素晴らしいと思いました。
 環監の業務にも当てはめることができます。
 例えば、県保健所と市町村とでつながりが薄い現状があるとしたら、共通の課題「災害時の避難所の衛生・感染症問題」の解決を目的に、合同の研修会をして顔の見える関係づくり、つながり強化ができるのではないかと思いました。

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