環監・保健師のための防災【入門】命を守るために機転をきかす

【私の視点】
宮城県石巻市の震災遺構・門脇小学校では、津波避難で裏の高台へ上がるとき、木製の教壇を裏返しにして、ハシゴ代わりに使ったと説明がありました。
命を守るため、機転をきかせることは大切です。

校舎からの脱出(2022年5月撮影)

2022(令和4)年6月上旬、防災勉強会「bousai-Mの会」にオンラインで参加しました。

全国から10人のかたが参加しました。

bousai-M会は、もりおか女性センターの防災講座の参加者が中心につくられた防災を勉強するグループです。

参加者からのご報告があったのは、「稲むらの火」として語り継がれる濱口梧陵翁の故郷の和歌山県有田郡広川町への訪問記でした。

話は、世界津波の日まで及びます。

11月5日が、「世界津波の日」です。

和歌山県のホームページでは、こう説明されています。

<平成27年12月、国連総会において、毎年11月5日は 「世界津波の日」 と制定されました。>

<この日が「世界津波の日」とされたのは、安政元年(1854年)11月5日、安政南海地震による津波がいまの和歌山県広川町を襲った際、濱口梧陵が稲むらに火をつけ、津波から逃げ遅れた村人を高台へ導いて、多くの命を救った逸話 「稲むらの火」 の故事にちなんだものです。>

ちなみに、稲むらとは、刈り取った稲を野外に積み重ねたものをさします。

その後、防潮堤をつくるため、人手を雇い、多くの人の雇用をつくったということです。

映し出された防潮堤の写真から、江戸時代の防潮堤が今も人の命を守る役割を果たしていることがわかります。

【私の視点】

世界津波の日に合わせたイベントに何回か参加したことのある私は、濱口梧陵翁の「稲むらの火」を知りませんでした。

目の前にあるものを、本来とは別の使い方をとっさに判断して命を救ったのは、すばらしい行動だと思いました。

私は、1カ月前に見学した、宮城県石巻市の震災遺構・門脇小学校の光景を思い出しました。

津波避難で裏の高台へ上がるとき、木製の教壇を裏返しにして、ハシゴ代わりに使ったと説明がありました。

命を守るため、機転をきかせることは大切です。

防災学習のなかで、普段から、物を見たとき、本来と違う使い方を考えるトレーニングが必要かもしれないと思いました。

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