環監のためのレジオネラ症対策【入門】先入観をもたない

【私の視点】
 先入観をもたないで現場に臨むことが大切です。

イメージ写真

2022(令和4)年6月下旬、国立感染症研究所が関係する「公衆浴場の衛生管理の推進のための研究」オンライン会議に出席しました。

全国の衛生研究所、レジオネラ研究者、入浴設備会社等の関係者約50人が参加しました。

研究計画や事例紹介がありました。

なかでも、私が関心を寄せたのは、入浴施設のレジオネラ属菌検出事例です。

入浴施設は、浴槽二つがあります。

赤湯と呼ばれる鉄分の多い温泉のかけ流し浴槽と、隣合わせる水道水の循環処理の浴槽です。

私は、この報告から、二つの先入観をもっていたことに気がつきました。

ひとつめは、菌が出たのは、温泉浴槽だと思ったことです。

鉄分が浴槽や配管に付着しやすく、鉄分が多いため塩素消毒が効きにくいと考えたからです。

事例の菌検出は、水道水の浴槽からでした。

先入観をもつことの危うさを感じました。

もうひとつの先入観は、水道水の浴槽のろ過器の負担が、それほど大きくないだろうと思ったことです。

画面の写真を見て驚いたのは、ろ過器のろ材が茶色に染まり、鉄分が多量に付着していたことでした。

水道水の処理のろ材が、なぜ茶色に染まるのだろうか。

環監のあなたは、どう考えますか。

・・・・・・

私は、こう考えました。

「かけ流しの浴槽の湯がとなりの浴槽に入ったり、温泉の鉄分が人の体について水道水の浴槽に運ばれたりした影響なのではないだろうか」

長い年月の経過とともに、ろ材に鉄分の付着が徐々に進んでいったと考えました。

先入観が、環監による実際の現場調査に影響してはならないと感じたのです。

【私の視点】
 先入観をもたないで現場に臨むことが大切です。

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