環監のためのレジオネラ症対策【入門】気泡発生装置の衛生管理

【環監の視点】
 気泡発生装置の望ましい衛生管理

毎年の管理
①気泡発生装置の表面の金属板を外すことができるのならば、1年に1回程度、内部のブラッシングと殺菌をすること。
②年に1回程度の配管洗浄の薬剤洗浄の際に、気泡発生装置を間欠で動かすこと。

毎週の管理
①週に1回、循環ろ過系統配管の2時間程度の高濃度塩素消毒の際に、気泡発生装置を間欠で動かすこと。
②週に1回、気泡発生装置の空気の取り入れ口の点検、清掃をすること。

配管洗浄中に気泡発生装置を稼働させた光景(イメージ写真)

2022(令和4)年4月中旬、神戸市の発表で「かんぽの宿 有馬」でレジオネラ症が発生したとありました。

利用者2人が、レジオネラ症になり、うち1名のかたが死亡されたと書かれています。

私は、神戸市のプレス内容、かんぽの宿有馬のホームページ、かんぽの宿のその他のネット上の情報を確認しました。

ネット記事を読んで理解したのは、水道水の浴槽から基準値を超えるレジオネラ属菌が検出されたことです。また、気泡発生装置の清掃不十分が原因となった可能性があるとも読みとれました。

施設の写真を見ると、泡が無数に立っていて、気泡発生装置を使用したバイブラ浴槽のようです。

浴槽内で気泡を発生させて入浴を楽しむ浴槽には、超音波風呂、ジェット風呂、バイブラ風呂などがあります。

こうした浴槽は、水面上で気泡がやぶれてエアロゾルが発生するため、浴槽水中にレジオネラ属菌がいた場合、飛散するおそれがあります。

一般的な気泡発生装置のレジオネラ症対策を考えてみます。

浴槽の底の気泡発生装置の金属板を定期的に外して、内部を洗浄・消毒できれば一番いいと思います。

しかし、私のこれまでの現場経験から、気泡発生装置の金属板を簡単に外して内部を洗浄・殺菌すのは難しいように感じています。

先日、知り合いの公衆浴場の営業者に聞いたところ、

「浴槽の底の気泡発生装置は、埋め込まれていて、部品を外すことはできない」

と話していました。

それでは、日常の衛生管理をどのようにしたらいいのでしょうか。維持管理を考えてみました。

繰り返しますが、気泡発生装置の金属板を外すことができるのならば、1年に1回程度、本格的な内部のブラッシングと殺菌ができるといいと思います。

年に1回程度の配管洗浄の薬剤洗浄の際に、気泡発生装置を間欠で動かすこと。

週に1回、循環ろ過系統配管の2時間程度の高濃度塩素消毒の際に、気泡発生装置を間欠で動かすこと。

週に1回、気泡発生装置の空気の取り入れ口の点検、清掃をすること。

以上の点がポイントになると思います。

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