環監のための防災【入門】夏季に、外気・室内の温度、湿度を測定することが、熱中症予防につながる
6/27 午後2時 晴れ、気温29℃、湿度70%
この状況で、あなたは、熱中症のリスクを
どの程度、感じますか。
熱中症の症状は、次のとおりです。
めまい、顔のほてり、筋肉のけいれん
体のだるさ、吐き気、汗のかきかたがおかしい
体温が高い、呼びかけに反応しない
水分補給ができない
2022(令和4)年4月上旬、防災勉強会「bousai-Mの会」に
90分、オンラインで参加しました。
全国から16人のかたが参加しました。
bousai-M は、もりおか女性センターの
防災講座の参加者が中心につくられた
防災を勉強するグループです。
活動報告のなかで、参加者のおひとりから、
災害ボランティアコーディネーター研修会参加の
話がありました。
事例を考えるものです。
「発災2週間目
避難所の被災者が減り始めるころです。
ボランィアが入れ替わるときです。
6/27 午後2時 天気晴れ、気温29℃、湿度70%
電話がありました。
Y様宅で活動中のボランティアからです。
『一緒に活動中のMさん(男性、48歳)が
家具の運搬中に気分が悪いと言って休憩しています』
現場は、サテライトから歩いて20分です。
午後3時には、ボランティアがサテライトに
戻ってき始めます」
「あなたがボランティアコーディネーターのリーダーとして
何を確認し、どのように対応するか考えてみましょう」
・そのまま活動してもらうのか。
・活動を止めるのか。
・現地へ向かうのか。電話で指示をするのか。
◎保健所・環境衛生監視員(環監)の視点
私は、環監の視点から、
高温多湿のなかでのボランティア活動を
考えてみました。
事例を通して、私が考えたのは、
活動者に症状が出たので、一度、活動を止めて、
抜本的に、健康管理面で、活動のしくみ、流れを
検討し直してはどうかということです。
ここで、環監に何ができるかを考えました。
・環監の最大の使命は「市民の命・健康を守る」
ここがぶれてはいけません。
市民とは、避難生活者であり、ボランティアです。
・室内の温度、湿度を測定して、実態をつかみます。
外気が、温度が30℃ちかく、湿度が70%のとき、
ボランティアが活動している室内は、熱がこもり、
人の息、発汗などで、温度、湿度が外気より
高くなっているかもしれません。マスクをつけ、
より過酷な環境になっている可能性があります。
温度、湿度を、測定してみましょう。
・実態を作業者に知らせる。
測定値の実態を、作業者にお知らせして、
注意喚起をうながしましょう。
・【助言】作業時間、休憩時間をはっきりする。
2018年の西日本豪雨のあとは、猛暑が続きました。
家の片づけのボランティア作業では、
一例で、10分作業して、10分休憩する。
休憩は、日陰で休息して、十分な水分補給をする。
最大2時間作業とする。
こうした短時間の作業で、熱中症リスクを下げるのです。
・【助言】健康管理リーダーを置く
作業者のお互いの健康チェックのため、
健康管理リーダー、サブリーダーを置き、
休憩ごとにお互いの体の状態を確認します。
体調の変化に気がついたとき、
勇気をもって活動をいったん止めましょう。