環監・保健師のための防災【入門】写真は心の健康を支える

【私の視点】
写真は、心の支えになることがあります。
心の支えが心の安定となり、ストレスを抑えて、心の健康につながっているように思います。
そう考えると、災害で水に濡れた写真の洗浄作業は、写真をきれいにして戻し、心の健康に大きく貢献していると思えるのです。

水に濡れた写真の洗浄作業

2022(令和4)年9月上旬、三鷹市のSUBARU総合スポーツセンターで開催された「みたか防災マルシェ2022」へ行きました。

体育館の、防災芸人チャイム(赤プルさんご夫婦コンビ)他のステージショー、避難所の紹介コーナー、防災活動の紹介ブースなどに立ち寄りました。

小学校低学年や未就学児童の家族連れの姿を多く見かけました。

【私の印象に残ったこと】

災害で水に濡れてしまった写真の洗浄ボランティアのコーナーに関心を寄せました。

ご担当者の話によると、活動のきっかけは、2019年の令和元年台風19号のときの多摩川流域の水害による写真を洗浄したことだったそうです。

私は、案内されて、写真の洗浄体験をしました。

私が理解した作業手順は、次のとおりです。

◎ポイントは、水害などで汚れた写真を、できるだけ早く乾燥させ、泥を取ることです。

いただいたチラシには、水害にあった写真は細菌などの影響で、プリント部分が溶けていくと書いてあります。

汚水の状況にも関係して、たとえば、1カ月後には、劣化が相当に進みます。

早い段階で、乾燥、※アルバムからの取り出し、水洗い、乾燥の作業をするのがベストです。

※アルバムから1枚ずつ取り出したあと、次のとおり水洗いの作業になります。

1 バットの水の中に写真を浸し、ヒートテック生地で表裏を拭く。

汚れがひどいとき、メラミン樹脂スポンジで拭く。

擦りすぎると、写真を傷つけるので、注意が必要。

2 別のバットのきれいな水の中で、写真を軽くすすぐ。

3 タオル類で、写真表面の水を吸い込ませる。

4 消毒用エタノールをヒートテックに濡らして、写真表面を一拭きする。

5 写真を縦置きして、乾燥させる。

最後に消毒用エタノールで一拭きすると、見た目に表面が鮮明になるのがわかりました。

消毒用エタノールの使用は、細菌類の殺菌としても意味のあるものだと思います。

【私の視点】

チラシの一部にこう書いてあります。

「思い出のお写真の救済を、心を込めてお手伝いさせていただきます」

写真の持ち主と、洗浄作業をする人とが、写真をとおして心がつながっているように感じました。

私は、2011年の東日本大震災被災地の行政支援活動で訪れた気仙沼市で、津波で水に浸かった、所有者不明のアルバムなどの写真が、体育館の床一面に置かれている光景を思い出しました。

いま思うと、洗浄がされていない状況だったでしょう。

その写真を見たとき、写真の背景にあるその人の生活や家族、人生を感じて、写真が早く所有者の手元に戻るといいなと思いました。

写真は、心の支えになることがあります。

心の支えが心の安定となり、ストレスを抑えて、心の健康につながっているように思います。

そう考えると、災害で水に濡れた写真の洗浄作業は、写真をきれいにして戻し、心の健康に大きく貢献していると思えるのです。

環監・保健師が市民の命・健康をまもるために尽力するのと同じだと感じたのです。

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・課題の解決につながる講座をご用意しています。

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【実績】

・2022年、国立保健医療科学院、令和4年度 住まいと健康研修で「災害時の公衆衛生活動」(オンライン)の講師をつとめました。

・2021年、東京都特別区職員研修所、令和3年度専門研修「地域保健」(主に保健師対象)で、「新型コロナウイルスを踏まえた避難所の衛生対策、保健所・環境衛生監視員の視点から」の講師をつとめました。

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