介護施設・事業所のための感染症・災害時のBCP【入門】課題の発見法

【私の視点】
災害用の組み立てトイレが、夜間に、中の人の姿が影絵のように見えたケースがあります。
実際に、夜間に使ってみないと気がつかない点です。

液状化で浮きあがったマンホール(浦安市、2011年4月)

2022(令和4)年9月上旬、「防災トイレフォーラム 2022 〜被災経験をトイレ対策に活かす〜」(主催:特定非営利活動法人日本トイレ研究所、共催:東京都、会場・オンライン開催)にオンライン参加しました。

主なプログラムは、次のとおりです。

【開会挨拶】

東京都

【趣旨説明】

加藤 篤氏 (特定⾮営利活動法⼈⽇本トイレ研究所 代表理事)

【発表1】

新たな被害想定や社会環境の変化等により顕在化した課題
芝崎 晴彦 ⽒(東京都 総務局 防災計画担当部⻑)

【発表2】

阪神・淡路⼤震災で痛感したトイレ・下⽔道など静脈系ライフラインの重要性
相川 康⼦ ⽒(特定⾮営利活動法⼈ NPO 政策研究所 専務理事)

【発表3】

新潟県中越地震を踏まえて地域防災計画に「トイレ対策計画」を新設
⽶⽥ 和広 ⽒((公財)新潟県環境保全事業団 新潟県地球温暖化防⽌活動推進センター⻑)

【発表4】

東⽇本⼤震災での液状化によるトイレ問題
松崎 秀樹 ⽒(元浦安市⻑)

【発表5】

熊本地震の経験を活かしたマンホールトイレの設置・運営体制の構築
藤本 仁 ⽒(熊本市上下⽔道局 計画整備部⻑)

【私の理解した内容】

・ご講演から私が理解した内容は、次のとおりです。

・3時間以内に約4割の人がトイレに行きたくなる。

・6時間以内に約7割の人がトイレに行きたくなる。

◎災害トイレの種類

①携帯トイレ:発災時~、屋内

 シート(吸収)型、凝固剤型

②簡易トイレ:発災時~、屋内

 椅子型

③マンホールトイレ:1日目~、屋外

 前もって設置されたトイレ用のマンホールの上に上屋(うわや)組立

 下水道へ流すタイプ、便槽に溜めるタイプ

④仮設トイレ(ボックス型/組立型):1日目~、屋外

 快適トイレ(ランクが上):
 洋式便器、手洗い器有、消毒器有

※災害用トイレの仕様・性能データが、日本トイレ研究所のホームページ「災害トイレガイド」で公開されています。

◎液状化とトイレ

・浦安市の液状化

・動画映像より、液状化の実際を見ることができました。
 
道路が盛り上がる。
道路が波をうつ。
土壌から水がこぼれる。
道路亀裂から水が湧くように出る。
駅前の道路が川のように浸水する。

・下水道マンホールが浮き上がった。
 最大2m50cmの高さまで

・上水道完全復旧:27日後

・下水道完全復旧:36日後

・水道が復旧しても、下水道の復旧までトイレは使えない。

・携帯トイレ:36万回分が配布された。

・マンションでは、トイレ便器を携帯トイレの使用場所として使う。

・市内に仮設トイレを設置した。
 
◎女性視点からの屋外トイレの課題

・人目

・安全確保

・夜間対策

◎災害用組み立てトイレの課題

・夜間に人の姿が影絵のように見える。

・風で横倒しになる。

◎工事用仮設トイレ

・和式

・高齢者・障がい者に不向き

◎マンホールトイレの実際

・熊本市のマンホールトイレは、熊本地震の前に中学校4校で計20基の整備が完了していた。

・その後、小学校運動会でマンホールトイレ設置・運営をし、普段使いをしている。

・マンホールトイレの利点:バリアフリー、紙を流せる

・熊本地震のときの撤去時:高圧洗浄車・強力吸引車による清掃作業、害虫駆除作業、資機材の消毒作業を実施した。

【私の視点】

浦安市の液状化によるトイレ問題をご講演された松崎秀樹氏(元浦安市⻑)の話で印象に残ったところがあります。

災害発生前の防災訓練が、役に立たなかったことがあるとの話でした。

課題のなかで、災害用組み立てトイレについてふれていました。

①夜間に人の姿が影絵のように見える。

②風で横倒しになる。

①は、実際に夜間に使ってみないと気がつかない点だと思います。

防災訓練を実際に役立つものにするため、夜間に実施する選択肢があります。

夜に、ライフラインが止まったとき、どのように避難所を開設し、運営していくか。

夜間訓練で、課題が見えてくるように思いました。

たとえば、マンホールトイレを組み立てたあと、実際に明かりをつけ中に入ってみて、人の姿が影にならないのか、確認するのがひとつです。

可能なかぎりのシミュレーションをして、トレーニングすることが、ひとの命・健康をまもることにつながると思いました。

【ご案内】

・介護施設・事業所の感染症・災害時のBCP作成で、お悩み、課題がありましたら、ご相談をお受けしています。

【実績】

・東日本大震災、熊本地震、西日本豪雨、令和元年台風19号の被災地で地元自治体に協力し、災害時の避難所の衛生対策活動に携わりました。

・管内のレジオネラ肺炎患者発生をきっかけに、公衆浴場等のレジオネラ症対策に重点的に取り組みました。生活と環境全国大会で「文京区における公衆浴場等シャワー水のレジオネラ症発生防止対策の成果」が最優秀賞を受賞。『レジオネラ症対策のてびき』(一般財団法人日本環境衛生センター)を出版しました。

・2021年、東京都特別区職員研修所、令和3年度専門研修「地域保健」(主に保健師対象)で、「新型コロナウイルスを踏まえた避難所の衛生対策、保健所・環境衛生監視員の視点から」の講師をつとめました。

・2021年、国立保健医療科学院、令和3年度 環境衛生監視指導研修で「現場での衛生監視指導の実際、公衆浴場のレジオネラ症対策」(オンライン)の講師をつとめました。

・2021年、熊本市西部環境工場(清掃工場)内の避難所BCP作成の監修をつとめました。

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