環監・保健師のための新型コロナ対策【入門】協働・連携の活動に大切なこと
【私の視点】
協働と連携のために、大切なものが二つあると思いました。
ひとつは、課題の共有です。
もうひとつは、相手の考えや思いを自分ごととして考えることです。
2022(令和4)年6月下旬、国立保健医療科学院(和光市)で開催された「住まいと健康フォーラム」に参加しました。
テーマは「環境衛生監視員による協働・連携の体制づくり」です。
住まいと健康研修の受講生と保健所・環境衛生監視員など約20人が参加しました。
ごみ屋敷問題、犬猫の多頭飼育、動物愛護センターの犬猫譲渡推進、新型コロナ感染発生の施設調査をとおした協働・連携の事例が、話題提供されました。
その後、ワークショップで、協働・連携のために具体的にどのように行動すればよいのか、グループディスカッションがされました。
私が関心を寄せたのが、話題提供のひとつ、「新型コロナに関連した施設の立入り調査、多職種や他機関と環境衛生監視員との連携」(島根県食肉衛生検査所試験課、三代由紀氏)です。
私が理解した主な内容は、次のとおりです。
島根県の保健所の衛生指導課は、獣医師、薬剤師、臨床検査技師、食監職などで構成されています。
生活衛生関係の衛生指導、食中毒の調査・予防啓発などのほか、感染症の調査、予防啓発が業務になっています。
衛生指導課は、新型コロナ感染症対応として、保健師と協力して施設調査、濃厚接触者の洗い出しなどをしました。
第5波のときの調査事例報告がありました。
高齢者施設への調査は、環監と保健師の2者で実施されました。
環監の生活衛生関係営業六法など日常業務とつながる、手指の消毒、施設内の消毒など消毒法の指導が印象にのこりました。
資料の写真で、換気箇所の窓、天井の換気設備、水回りのトイレ・洗面所など、衛生に関係するポイントが挙げられていて、環監の視点を感じました。
発表者の話の要約です。
「環監は、衛生監視のプロと言えると思います」
「しかし、今回のような調査現場の介護の場は、私たち環監はほとんどわかりません」
「環境衛生の側面からは環監の私が、介護の側面からは保健師が聞き取りをおこなうことで、多角的にカバーができ、精度の高い調査がおこなえたと考えています」
「環監と保健師が、新型コロナの感染拡大防止という、同じ目標や課題に向かって、それぞれの立場からものを見て、意見を出すことで、よりよい連携が生まれるものと思います」
「それには、お互いを尊重する。相手の見方、考え方をいったん受けとめる。ときには譲歩する。自分ごととして考える」
「そうした姿勢で、同じ目標に向かう意識が大切だと思いました」
【私の視点】
協働と連携のために、大切なものが二つあると思いました。
ひとつは、課題の共有です。
もうひとつは、相手の考えや思いを自分ごととして考えることです。