環監のためのレジオネラ症対策【入門】日向サンパーク温泉事故20年③

【私の視点】
 配管中の滞留水の存在は、配管内に徐々に微生物の堆積をつくってしまう可能性があります。
 日向サンパーク温泉施設のように、徹底して滞留水をつくらない施設を見たことがありません。

排水バルブ

2022(令和4)年5月下旬、月刊『公衆衛生情報』6月号(一般財団法人日本公衆衛生協会)に、「公衆浴場施設でのレジオネラ症集団発生事例」を書きました。

20年前の2002(平成14)年に宮崎県日向市で起きた、日向サンパーク温泉「お舟出の湯」レジオネラ事故を振り返り、今後のレジオネラ症対策を考える内容です。

事故発生後、再生した施設を、私は、2回、見学する機会がありました。

2回目は、2017(平成29)年でした。

設備と衛生管理のすばらしさに驚きました。

再生した日向サンパーク温泉の見学で、現場を見た私が肌で感じたことが3点あります。

①二度と事故を起こさない強い意思

②滞留水をつくらない

③毎日の日常管理の積み重ね

今回は、②を考えます。

再生した日向サンパーク温泉施設は、滞留水をつくらない構造設備、衛生管理を徹底していました。

1日の営業終了後、マニュアルに明記されたとおり、各配管の排水バルブが開けられました。

管の中の湯・水が抜かれるのです。

配管の中が空っぽになるわけです。

県の条例では、循環式浴槽の完全排水(換水)が週に1回以上です。

けれども、施設の館長は、「事故を起こした反省から、しっかりやろうと毎日換水しています」と話していました。

【私の視点】
 配管中の滞留水の存在は、配管内に徐々に微生物の堆積をつくってしまう可能性があります。
 日向サンパーク温泉施設のように、徹底して滞留水をつくらない施設を見たことがありません。

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