環監のためのコミュニケーション・スキル【入門】保健所と施設・営業者との信頼関係
【ポイント】
対物といわれる環境衛生監視員の衛生監視指導ですが、実は、営業者・従業員のかたと監視員との信頼関係をいかに構築できるかが重要なポイントになります。
2022(令和4)年5月発行の『生活と環境』5月号に、連載「差がつく! 保健所・環境衛生監視員 ~環監未来塾 入門講座編~」第7回を書きました。
今回のテーマは、「現場研修で身につける」です。
後半部分を一部抜粋します。
公衆浴場施設の良い点にふれたところです。
さくら「実際にシャワーがきれいに掃除されていたり、掃除の手順が貼ってあったりしているし。浴槽水の塩素の管理もできていて、衛生管理の意識が高いと思いました。その点が、改善に大きく生かせますよね」
マサ「いい視点だね。もしかしたら、適正な浴槽水の換水頻度、オーバーフロー回収槽の頻繁な清掃などの点については、気がついていないから、できていないのではないかと思ったんだ」
さくら「ご存じないのかもしれませんね」
マサ「何より、薬湯水槽のオーバーフロー口に置かれた数百個の石について、リスクのひとつになる可能性があると私が言ったとき、支配人や担当者が『すぐに撤去しましょう』と言ってくれた。
良い点を見るとき一番大切な人となりをみたとき、『誠実さ』を感じたんだ。だから、きっと問題点、改善点を理解してもらえれば、いい方向へ進むと思った」
さくら「人となりは、前回にふれましたね」
マサ「研修会を終えて支配人にお礼を言ったとき、『ここを直すともっと良くなるというポイントを地元の保健所にお伝えしましたので、ご相談してみてはいかがですか』と話したんだ。そうしたら、うなずいていた」
さくら「研修会を通して、一歩、前へ進みましたね」
最後の私と支配人との会話の少し前、地元の保健所の課長と私で言葉を交わしていました。
そのとき私は、「私から直接、支配人に細かいアドバイスをするのではなく、これを機会に保健所と施設とで衛生管理向上のための信頼関係を深めてもらうのがいい」と考えました。
そのため、改善点のキーワードのみを支配人へ伝え、詳細については地元の保健所からお聞きになってくださいと話したのです。
保健所と施設・営業者との信頼関係を築く足場ができたとしたら、うれしいですね。
その後の経過について、いずれ保健所の担当者のかたに聞いてみたいと思っています。
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