連載『地域保健』+α情報(なぜデパ地下が) 『地域保健』11月号「デパート(百貨店)の新型コロナウイルス感染対策を考える」
・空気がよどんでいると感じたところに長時間いない。
・混む時間帯を避ける。
・不織布のマスクを着ける。
デパート(百貨店)の地下食料品売り場を、
保健所・環境衛生監視員の視点で見てみましょう。
なぜ、デパ地下で一時、感染者が多く発生したのか。
その理由を、詳細に考えてみました。
①地下階の扉の開閉による外気の出入りが少ない。
出入り口が、地下街につながっているケースがある。
②多数の利用者で人が密になることがある。
③面積の大きなパーティションの設置
従業員が立つ空間の空気が動きにくい。
空調による本来の空気の流れが止まる可能性がある。
利用者、従業員の飛沫がパーティションにつく。
④接近した会話
カウンター付近のスペースで会話をする際に、
まわりの騒音で利用者と従業員とが接近しやすい。
パーテイション内側の狭いスペースで、
従業員間が近くなりやすい。
⑤不特定多数の人が出入りする。
⑥不織布以外のマスク着用
夏の暑さで、薄い布製・ウレタン製マスク着用での会話の際に、
不織布マスク着用と比べて飛沫が漏れやすい。
⑦お金、品物の手渡し
手の接触の機会が多い。
⑧利用者が歩きまわる
利用者が、贈答品、総菜、弁当などを購入する際、
類似の店舗があるフロアを歩きまわって
品物を吟味することがある。
1人の感染した利用者がいれば、
咳や、複数の店での会話により、
ウイルスの拡散の可能性がある。
⑨フロアのなかほどの店舗は島形
360度、人に囲まれる構造である。
⑩エスカレーター、階段で別階とつながる
空気の流れが複雑化する。
⑪冷たい空気が下にたまる
夏季の冷房運転で、建物全体の冷たい重い空気が下層、
地下階にたまりやすく、
空気の淀みをつくる可能性がないかを考えた。
以上のことを考慮したうえで、利用者の注意点を考えました。
・空気がよどんでいると感じたところに長時間いない。
・混む時間帯を避ける。
・不織布のマスクを着ける。