避難所運営学習ツール「さすけなぶる」の認定ファシリテーター勉強会に参加しました
・災害時には、日常が顕著化する。
・表面化した問題の背景には、深い問題が隠れている。
2021(令和3)年9月下旬、オンラインで、避難所運営学習ツール「さすけなぶる」の認定ファシリテーター勉強会に参加しました。さすけなぶる認定ファシリテーターの堀江俊佑さんが主催しました。
参加者6人のほか、福島大学で認定ファシリテーター養成講座に携わっている、福島大学うつくしまふくしま未来支援センター特任教授の天野和彦先生と、高知大学の大槻和史先生が講師として出席しました。
さすけなぶるの事例検討として3つ取り上げられたうち、私が関心をもったのが、避難所で認知症の高齢女性がおしっこを漏らして、事務局へ替えズボンの希望が伝えられたとき、どう対応するかという問題です。
公平の観点から運営スタッフは、替えズボンの提供をしぶります。このとき、困った人に手を差し伸べる「公正」の観点で考えると、行動が違ってきます。
私は、この事例に根の深い問題を感じました。私の5年間の高齢者住宅での管理人業務の経験からです。
疑問点がうかびました。
・避難所に、高齢者用の紙おむつは備えてあったのでしょうか。
・認知症の高齢者でしたら、介護保険の認定がすでに受けられていると考えます。今回の認知症の高齢女性やその家族と相談する、地域包括支援センターやケアマネージャーの存在はあったのでしょうか。
・避難所に、認知症の高齢者を見守るしくみはあったのでしょうか。
もしかしたら、災害の前の日常の段階で、事例の高齢者のかたは、地域とのつながりが希薄だったのかもしれません。
災害時には、日常が顕著化するとあらためて感じました。
表面化した問題の背景には、深い問題が隠れていることを肝に銘じておきたいと思いました。