日本防菌防黴学会で水害被災地とレジオネラ属菌について発表しました。
◎水害被災地の泥からレジオネラ肺炎の原因菌が見つかりました
2021(令和3)年9月9日(水)にオンライン開催された日本防菌防黴学会で、「令和元年東日本台風(台風19号)被災地の泥から検出されたレジオネラ属菌について」を発表しました。
2019(令和元年)10月の台風19号の水害被害から2カ月経った福島県いわき市を訪れて、いわき市保健所の協力のもと、市内を流れる夏井川の決壊場所近くの公園、側溝などで泥を採取しました。
河川の決壊により、河川の底や堤防付近などの泥が多量に運ばれて、公園、側溝などに堆積していました。
約1カ月間の検査のあと、決壊場所近くの公園の泥から、肺炎を引き起こす原因菌のレジオネラ属菌の生菌が検出されました。
泥が、乾燥して土埃となって空気中に舞うとき、土埃の小さな粒子にレジオネラ属菌が含まれていれば、吸い込んだ口から肺まで運ばれて、肺炎を引き起こす可能性があります。糖尿病や病気治療をされているかた、高齢者のかたが罹りやすい傾向があります。
肺炎にならないために、水害のあとの市街地では、土埃を吸い込まないようマスクの着用の徹底が大切です。