環監のためのレジオネラ症対策【入門】日向サンパーク温泉事故20年④

【私の視点】
 日向サンパーク温泉の営業が止まった現在、私は自身の立ち位置、視線から、レジオネラ症対策をとおして市民の命・健康を守るため、日向サンパーク温泉の現場を見て感じたこと、思ったことを、いま公衆衛生の最前線で全力を尽くす保健所・環境衛生監視員に伝えていきたいと思っています。

浴室からの展望(日向市、2017年撮影)

2022(令和4)年5月下旬、月刊『公衆衛生情報』6月号(一般財団法人日本公衆衛生協会)に、「公衆浴場施設でのレジオネラ症集団発生事例」を書きました。

20年前の2002(平成14)年に宮崎県日向市で起きた、日向サンパーク温泉「お舟出の湯」レジオネラ事故を振り返り、今後のレジオネラ症対策を考える内容です。

事故発生後、再生した施設を、私は、2回、見学する機会がありました。

2回目は、2017(平成29)年でした。

設備と衛生管理のすばらしさに驚きました。

再生した日向サンパーク温泉の見学で、現場を見た私が肌で感じたことが3点あります。

①二度と事故を起こさない強い意思

②滞留水をつくらない

③毎日の日常管理の積み重ね

今回は、③を考えます。

何より施設で大切なのは、途切れることのない毎日の衛生管理です。

施設に他者が見学で入ったとして、毎日の衛生管理の徹底を一瞬で感じ取れることは、めったにありません。

その点、日向サンパーク温泉は違っていました。

機械室のホワイトボードには、「本日の作業の確認・実施」「薬品の在庫」の記入欄がありました。

作業が実施された場合、「済」の文字に丸印が付けられます。

塩素濃度の記録表には、各浴槽の遊離残留塩素濃度の数値が手書きされていました。

デジタルセンサーの数値が1日7回記録され、うち2回は各浴槽で実際に人がDPD測定をして、センサーの数値に問題がないかを確認していました。

記録表のマス目にびっしり手書きされた数値を見たとき、ここまで測定、記録に注力している施設はめずらしいと感じたのです。

【私の視点】
 日向サンパーク温泉の営業が止まった現在、私は自身の立ち位置、視線から、レジオネラ症対策をとおして市民の命・健康を守るため、日向サンパーク温泉の現場を見て感じたこと、思ったことを、いま公衆衛生の最前線で全力を尽くす保健所・環境衛生監視員に伝えていきたいと思っています。

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