防災の力をつける、災害医療研修(岩手医科大学)報告その1
EMISの避難所の入力項目は、
全国保健師長会がまとめた
「災害時の保健活動推進マニュアル」(日本公衆衛生協会)
の内容と重なります。
2022(令和4)年1月上旬、岩手医科大学の
災害時地域医療支援教育センター3階研修室で
おこなれた災害医療研修会に出席しました。
医療・行政関係者7人が参加しました。
研修会は、約半年間、計6日で、
オンラインでの講義、実習と
まとめとして、大学研修室で実習が
2日間、実施されました。
まとめの実習の内容は、次のとおりです。
①実習「情報伝達訓練(衛星電話・トランシーバー)」
②実習「広域災害救急医療情報システム(EMIS)」
③机上シミュレーション「多数傷病者受け入れ」
④実習「トリアージ訓練」
⑤実習「避難所運営(HUG)」
⑥実習「災害時情報整理シミュレーション(DIAS)」
⑦総合演習「本部活動」
実際の内容と、体験の感想をご紹介します。
①実習「情報伝達訓練(衛星電話・トランシーバー)」
衛星電話は、赤道上の衛星に向けて電波を飛ばし、
交信する仕組みです。
声の到達まで、1~2秒の遅れがありました。
機種により、交信のスムーズさが異なりました。
トランシーバーは、
ボタンを押す側のみが、話すことができます。
1~2kmの距離の通話が可能です。
使ってみると、声が聞き取りにくいことが
ありました。
耳をスピーカーに近づけると改善しました。
「こちら本部。○○、感度いかがですか。どうぞ」
「乾度良好。どうぞ」
「○○○○の被害状況をおしえてください。どうぞ」
「被害状況○○○○、○○○○。以上」
「了解しました」
回数を重ねて、なんとか慣れました。
②実習「広域災害救急医療情報システム(EMIS)」
EMISの研修を受けたのは、2回目でした。
医療機関の状況入力だけではなく、
避難所、救護所の入力項目があるのを
知りました。
講師から
「行政で、避難所の入力にちからを入れてほしいですね」
と話がありました。
避難所の入力項目は、
全国保健師長会がまとめた
「災害時の保健活動推進マニュアル」(日本公衆衛生協会)
の内容と重なります。
③机上シミュレーション「多数傷病者受け入れ」
3人グループになり、
大地震発生を想定して、
病院施設の多数傷病者の受け入れを
図面上で考えました。
どこに、本部を置くか。
どこに、トリアージの場所を置くか。
赤(最優先治療)、黄(待機的治療)
緑(軽症)、黒(治療対象外)
の四つのエリアをどこに設けるか。
医師、看護師、職員を、どこに配置するか。
コロナ禍の影響もあり、
トリアージ場所を、
テントを張った屋外にする案がでました。
④実習「トリアージ訓練」
人形を使ってのトリアージ訓練です。
講師が、人形の声主となり、
体の状況を伝えます。
私の実際の実習会話です。
「○○医療チームの中臣です」
「お名前をおしえてもらえますか」
「・・・・・・」
「呼吸をみますね」
「はーー。はーー」(10秒間に2回、12回/分)
「脈をみますね」
「とん。とん。とん」
私は、講師に伝えました。
「赤です」
「正解です。何が根拠になりましたか」
「従命反応がありませんでした。
名前を聞いても、反応がありませんでした」
「そのとおりです」
はじめての経験で、必死でした。