【注意】大雪停電時の一酸化炭素中毒について

【大雪停電時に一酸化炭素中毒に注意するもの】
①発電機(屋内使用はNG)
②石油ストーブ、石油ファンヒーター(20年以上古いものは注意)
③七輪、練炭、豆炭、木炭(密閉空間ではNG)
④車中泊(排ガスに注意)

カセットボンベ式発電機(イメージ写真)

①発電機

発電機は、絶対に屋内で使用しないでください

小型発電機は、ガソリン、軽油、カセットボンベなどを燃料に発電をします。

発電機の排気ガスに一酸化炭素が多く含まれ、室内で使用すると、死亡事故が起きる可能性があります。

カセットボンベ式の発電機の警告表示の一例では、こう書かれています。

「屋内等で絶対使用禁止、カセットコンロと異なり、排気ガス中の一酸化炭素濃度が高いので、短時間でも中毒死するおそれがあります」

一酸化炭素は、ニオイも色もなく、異変に気づきづらいのが特徴です。

一酸化炭素は、空気よりやや軽く、建物の天井や上階からたまりやすい傾向があります。

建物火災のとき、できるだけ低い姿勢で避難する理由のひとつが、一酸化炭素を吸い込まないようにするためです。

私の保健所・環境衛生監視員のビル衛生検査の経験では、通常の室内の一酸化炭素濃度は、測定値で0~0.1ppmです。

東京消防庁の資料に、空気中の一酸化炭素濃度(%)と症状の解説があります。

0.50~1.00%:1~2分で刺激に対する反応が低下し、呼吸ができなくなり、死亡する。

1%=10,000ppm です。

一酸化炭素は、人の血中で、酸素を運ぶヘモグロビンと結合しやすいので、酸素がヘモグロビンと結合できなくなり、身体の臓器に酸素が行きわたらなくなるため、症状が出ます。

特に、酸素を多く必要とする、脳細胞や心臓細胞で障害が起こりやすいといわれています。

今月発行の『災害時・避難所の衛生対策てびき』中臣昌広著(一般財団法人日本環境衛生センター、税込1,500円)の監修をしていただいた、日本赤十字北海道看護大学の根本昌宏教授は、発電機が自動車よりも急激に高濃度の一酸化炭素を排出するという実験結果が出たとお話しされています。

②石油ストーブ、石油ファンヒーター

購入20年以上の石油ストーブ、石油ファンヒーターの使用は要注意です

命をまもるため、20年以上経過するような石油ストーブ、石油ファンヒーターは、使用を見合わせて、新品と交換するか、専門業者に点検・整備をしてもらうことが大切です。

2019年10月に、私は、令和元年台風19号被災地の自治体に協力し、避難所の衛生対策活動をしていました。

避難所の一つで、測定器を使い空気環境を調べると、和室に置かれた石油ファンヒーターの付近で通常より高い一酸化炭素濃度を検出し、不完全燃焼と考えました。

石油ファンヒーターは、製造から20年が経つものでした。装置や部品などの劣化による不完全燃焼で、一酸化炭素が発生していると考えたのです。

現場ですぐに避難所管理者へ助言し、新品と交換してもらいました。

なお、そのときの記録を、2020年の日本公衆衛生学会でタイトル「令和元年台風19号被災地の避難所における空気環境等の実態」として、次のとおり報告しました。

令和元年台風19号被災地の避難所における空気環境等の実態

③七輪、練炭、豆炭、木炭

密閉空間で炭火を使用しないでください

独立行政法人国民生活センターがホームページで「発電機や炭での一酸化炭素中毒に注意」を掲載しています。

・木炭・練炭など炭の燃焼で、一酸化炭素が発生する。

・屋内で使用する場合、十分に換気をする。

・一酸化炭素を感知し、危険を知らせる「住宅用ガス・CO警報器」を設置するのも事故を防ぐ手段として有効である。

・住宅用ガス・CO警報器は、私がネットで調べたところ、3,000円~14,000円で購入できるものがある。

④車中泊

エンジンをかけっぱなしにしないでください

NHKネットニュースで、2022(令和4)年12月20日、新潟県内で雪に埋もれた車中で女性が死亡、死因は一酸化炭素中毒の記事を見ました。

前記の『災害時・避難所の衛生対策てびき』のなかで、車中泊について、私はこう記述しています。

< 冷房・暖房のためにエアコンをつけるには、エンジンをかける必要がある。

アイドリングと同じ状態だ。

注意するのは、アイドリングの際に排ガスに含まれる一酸化炭素である。

冬季には、雪でマフラーが埋まったり、寒さを避けるためにガレージ内でエンジンをかけたままにしたりすると、急速に一酸化炭素が車内に充満し死亡事故が発生するので、最大限の注意が必要である。 >

保健所・環境衛生監視員として私の建築物衛生法に基づくビル衛生監査の経験では、駐車場付近の空気環境測定で、アイドリングの影響から一酸化炭素濃度がすぐに、0.1ppmから10~20ppmに上昇したのを覚えています。

それだけ、急速に排ガスの影響があるのです。注意が必要です。

【ご案内】

・研修企画、災害時の避難所・避難生活の衛生対策など、ご相談をお受けしています。

【実績】

・2022年、国立保健医療科学院、令和4年度 住まいと健康研修で「災害時の公衆衛生活動」(オンライン)の講師をつとめました。

・2021年、東京都特別区職員研修所、令和3年度専門研修「地域保健」(主に保健師対象)で、「新型コロナウイルスを踏まえた避難所の衛生対策、保健所・環境衛生監視員の視点から」の講師をつとめました。