環監のためのレジオネラ症対策【入門】配管洗浄の手法
【環監の視点】
◎pH値が、すすぎ終了の目安になります。
今回の測定値は、次のとおりです。
・原水 pH8.5
・過炭酸ナトリウムによる配管洗浄時 pH10.7
・すすぎ1回目 pH9.7
・すすぎ2回目 pH8.4:すすぎ終了と判断
2022(令和4)年5月下旬、都内の公衆浴場施設の配管洗浄を、オフィス環監未来塾(中臣昌広)が作業しました。
配管洗浄は、主に次のとおり種類があります。
発泡系洗浄剤
長所:洗浄に優れる。
短所:比較的高価。
① 過酸化水素 2~3%
② 過炭酸ナトリウム 0.5~1%
酸化性洗浄剤
長所:比較的安価。
短所:洗浄力やや劣る。
① 次亜塩素酸ナトリウム
② 二酸化塩素
今回の洗浄浴槽は、地下水を沸かし循環ろ過する白湯の系統です。
過炭酸ナトリウムを使い配管洗浄をしました。
洗浄工程は、次のとおりです。
① 洗浄剤による洗浄工程
白色粉状の過炭酸ナトリウムを少しずつ桶に入れ、35~40℃の湯に溶かしながら、浴槽水に投入しました。
浴槽水の容量の割合で、0.5~1%になるように浴槽水に投入したあと、循環ろ過を約1時間行いました。
同時に、気泡発生装置を稼働させて、装置内の配管の洗浄を行いました。
② すすぎ1回目
排水後、地下水をためて1回目のすすぎをしました。
循環ろ過のポンプを稼働すると、うっすら濁りが出ました。
③ すすぎ2回目
水を入れ換えて、2回目のすすぎです。
循環ポンプを稼働させても、水は透明です。
④ 殺菌作業
次亜塩素酸ナトリウムを加えて、10~50mg/Lの濃度にして、循環ポンプを稼働させました。
約1時間、殺菌作業をしました。
⑤ 水質検査
排水後、水をため、通常の塩素濃度0.4mg/Lの状態にして、循環ろ過を行いました。
約10分間、稼働したあと、依頼した検査機関が水質検査用の採水をしました。
水質検査は、培養法及び迅速法(LAMP法)です。
【環監の視点】
今回の配管作業中に、pH値、ATP値、遊離残留塩素濃度の測定を実施しました。
pH値が、すすぎ終了の目安になることがわかりました。
◎pH値が、すすぎ終了の目安
・今回の測定値は、次のとおりです。
・原水 pH8.5
・過炭酸ナトリウムによる配管洗浄時 pH10.7
・すすぎ1回目 pH9.7
・すすぎ2回目 pH8.4:すすぎ終了と判断